【読書】イヤミス?というよりイヤなホラー「お引っ越し」真梨幸子

こんにちは、風子です。

 

唯一の趣味が読書です。

ミステリー、イヤミス、ホラー系が好みです。

最後まで何が起きるかわからないドキドキ感で、本の世界にのめりこんでしまう感覚がたまりません。

 

先日「王様のブランチ」で真梨幸子さんが「イヤミスの女王」として紹介されていました。

そういえば真梨幸子さんって読んだことないかも、とさっそく図書館へ。

 

備忘録として感想を記録しておこうと思います。

感想にはネタバレありますので、未読の方はご注意ください!

 

  目次

 

「お引っ越し」概要

「お引っ越し」

真梨幸子(まりゆきこ)

2015年3月25日初版発行

角川書店

定価 本体1500円(税別)

 

短編6本+解説

引越しにまつわるイヤミス、というか、イヤな感じのホラー。

あらすじ

引越し先の内見をしていたキヨコが、玄関扉横の非常ドアの中に閉じ込められる。そのちいさな空間の中には大量の・・・。

明朝の引越しをひかえて梱包作業中のナオコ。

荷物のぎっしり詰まった棚を発見し、げんなりする。

何かトラブルを抱えるたびに引越しを繰り返すナオコ。今回は何があったのか。

アオシマ運送でパートとして働き始めた主婦のマナミ。

夫は大手のR自動車で働いているが、窓際部署に異動になっていらい給料が下がり、家計が苦しい状態。

仕事は、アオシマ運送社長の姉であるアツコの手伝い。

そんなとき机の奥から、前任者が残したと思われる手書きの手紙を見つける。

職場のAさんが、人肉をむさぼり食っているという内容だった。

社内でイジメにあっているユミエ。

社内引越しでも嫌がらせをうけ、自分の箱が紛失する。

中には人に見せられない大事なものが入っているため、どうしても見つけなければならない。

システムエンジニアのハヤト。

同期であるイトウキヨシの睡眠不足の原因が、隣人による家庭内暴力の騒音であると打ち明けられる。

キヨシは隣人の奥さんの身を案じ警察に通報したが。

引越し魔で怖い話が好きなサヤカ。

今のマンションには引っ越してきたばかり。

バーチャルストリートで最寄り駅から自分のマンションまでたどると、そこに見えたものは。

解説

引越しにまつわる6本の短編の解説を依頼されるアオシマ。

その短編を読んだアオシマは、この本は「読んではいけない」類の本だと気づく。

解説から読む読者のために、この本は読んではいけない、と警告するために解説を書くことにする。

「アオシマさん」は死神だから、出会ってはいけないと。

 

感想

お引っ越し

お引っ越し

 

装丁がピンクとグレーで可愛いんです。

表紙のフォントも可愛いし。

イラストもカラフルでポップ。

 

でも中身はぜんぜんポップじゃない。

装丁だけで手に取った人は、ショックを受けると思います。

 

ひとつひとつの章だけみると、思わせぶりに嫌な感じを残すけど、面白い短編ホラーになっています。

 

でも読み続けると、どの章にも「アオシマ」という人物が出てきて、短編同士がつながっているのがわかります。

 

そして「解説」のアオシマさんが、各章の裏側、その後を語ります。

 

この解説は、本当の解説だと思って読みとばしてはいけません。

各章の事件の詳細がわかります。

危なく飛ばしそうだったよね

 

この各章に出てくるアオシマさん、同一人物ではありません。

何人いるんだアオシマ。

というわけで、アオシマを整理したいと思います。

 

アオシマはいったい何人?

「扉」のアオシマ

マンションの管理人。

「棚」のアオシマ

マンションの管理人。「扉」と同じ。

「机」のアオシマ

アオシマ運送の社長。社長の姉。

「箱」のアオシマ

派遣社員軍団の影の番長。

「壁」のアオシマ

システムエンジニア。

「解説」のアオシマ

ライター。「壁」と同じ。

 

アオシマって書きすぎ

ゲシュってきたね。

 

でもアオシマは5人いることがわかりました!

最後の解説を書いているのが「アオシマサブロウ」となっているので、

 

長女:アオシマ運送社長の姉アツコ

長男:アオシマ運送の社長(イチロウ)

次男:マンション管理人(ジロウ)

三男:システムエンジニア兼ライター(サブロウ)

次女:派遣社員の裏番長

 

こんな感じかな?

あーすっきりした。

 

でもこれは無理やり整理しただけで、兄弟関係とわかっているのは運送会社の2人だけ。

もしかしたら、このアオシマ一家だけが「死神」なんじゃなくて、違うアオシマさんも、あなたのそばにいるアオシマさんも「死神」かもよ、ということかもしれません。

 

それにしても、「壁」の解説で、アオシマさんが自分の体験をぶっこんでくるのが違和感でした。

「壁」の事件は自分の死神パワーで起こった事件だから語りたくないとか?

 

まとめ

短編なので一区切りのところで一息つけるけど、もし長編なら一冊一気読みしてしまうところでした。

 

イヤな読後感はないけど、こんがらがってすっきりしない感じはあります。

 

視点の変わる叙述トリックがあって、考えながら読まないと、わけがわからなくなるところもあったり。

 

叙述トリック

  • ミステリ小説において、文章上の仕掛けによって読者のミスリードを誘う手法。具体的には、登場人物の性別や国籍、事件の発生した時間や場所などを示す記述を意図的に伏せることで、読者の先入観を利用し、誤った解釈を与えることで、読後の衝撃をもたらすテクニックのこと。

(はてなキーワードより)

 

でも、この引き込まれるイヤミス感、けっこうタイプです。

真梨幸子さんの他の本も、これから読んでいこうと思います!

 

とりあえず、玄関の隣に避難扉がないことを確かめようか

 

今日のねこ

 

じわり

じわりじわり

じわじわと寄ってきた!

メシの時間だぞ

いいえ、まだです。