【読書】超難解ミステリーを徹底解明してみた「祝言島」真梨幸子

こんにちは、風子です。

 

真梨幸子さんの「祝言島」を読みました。

いやーこれ、大変。

1回読んだだけで理解できる人、いるんでしょうか。

 

叙述トリックものなので2回読むのがデフォルトだとしても、私は2回読んでも、こんがらがって何がなにやら、という感じでした。

 

結局、徹底的に整理して、年表までこしらえて、3回読んでなんとか理解しました。

 

でもそこまでいくともう疲れちゃって、面白いとかどっかいっちゃいました・・・。

ダメだろ

 

私には高度すぎたのか・・・。 

この小説がマニアックすぎるのか・・・。

 

よく映画の予告なんかで、

「映像化不可能と言われた問題作を、完全実写化!」

というのがありますね。

 

この「祝言島」は本当に、絶対に、映像化不可能だと思います。

そのくらい、小説ならではのトリックがてんこもりです。

 

挑戦したい方は、ぜひ読んでみてください。

 

とにかく徹底的に整理したので、ここに残しておきます。

完全ネタバレになるので、未読の方はお気をつけください!

 

  目次

 

「祝言島」概要

真梨幸子(まりゆきこ)

2017年7月31日初版発行

小学館

定価 本体1500円(税別)

 

トリック満載のミステリー。イヤミス。

 

あらすじ

祝言島

祝言島

 

東京オリンピック前夜の1964(昭和39)年、小笠原諸島にあった「祝言島」が噴火し、生き残った島民は青山の仮設住宅に避難した。

しかし後年、祝言島は“なかったこと”にされ、ネット上でも都市伝説になった。一方で、祝言島を撮ったドキュメンタリー映画が存在し、ノーカット版には恐ろしい映像が含まれていた。


2006年12月1日、東京で3人の人物が連続して殺され、未解決となっている「十二月一日連続殺人事件」。

無関係と思われる3人の共通点が「祝言島」だった。

半世紀を経て、“消された島”の禍々しい歴史が暴かれる――!!!

googleブックスより引用

 

そうそう、こういうあらすじです。

私はこんがらがっちゃって、あらすじうまく書けませんでした。

なのでまるっと引用。

 

徹底的に整理していきます!

まずは「祝言島の歴史」から

1543年(天文12年)

スペイン船によって発見される。祝言島という名前は、このときに「ウェディングアイランド」と命名されたのが由来という説と、「ほかいびと」※1 が由来という説がある。

1830年(天保元年)

16人の白人が入植。女性6人、男性10人の宣教師。

1887年(明治20年)

日本人の開拓が始まる。東京府による調査が入る。父島にいた住民12人が入植。

1891年(明治24年)

日本領土に編入。島名を「祝言島」とし東京府小笠原島庁管轄となる。

1935年(昭和10年)

海軍省によって島の北に要塞が築かれる。

1937年(昭和12年)

曙製薬の研究所ができる。強壮剤※2とコカ栽培が一大産業となる。

1945年(昭和20年)

終戦後、製薬会社が撤退。

1946年(昭和21年)

児童福祉法により、都立の「祝言島教護院」ができる。

 

※1「ほかいびと」乞児 (ほかいびと) 。家の戸口に立ち祝いの言葉を唱えて物を乞い歩いた人。goo 辞書より引用。

 

※2 9人の慰安婦に子を作らせ、その胎盤から強壮剤を製造していた。誰の子かわかるように、一から九までの漢字をわりふり名字にあてた。その「胎盤牧場」から産まれた子どもたちは、敗戦の時点で50人を超えていた。

 

ポイント1

※2の「胎盤牧場」で作られた子どもたちの名字には、一から九までの数字が割り振られていて、どの母親から産まれた子どもなのかわかるようなっています。

一から九までの数字が名字に入っている人物は、祝言島出身者の子孫ということになります。

 

ポイント2

1946年にできた「祝言島教護院」では、島の者にだけでなく、島外からも問題児とされる子どもが送り込まれ、ロボトミー手術(前頭葉切断による精神的疾病の外科的手術)が行われていました。

この手術を受けた者には、まぶたに痣が残っています。

 

人物を整理

名字に漢数字が入る人物(祝言島の子孫)

一ノ瀬琴美

嘉納明良と恋人関係。マサカズを出産。

一ノ瀬マサカズ

嘉納明良の子ども。

三ツ矢勉

ルビィと珠里のマネージャー。

六田三郎

バク転・サブロー。ピン芸人。

★七鬼百合(リリィ)

祝言島からの避難者。元ポルノ女優。

★七鬼紅玉(ルビィ)

リリィと明良の子ども。女優。

(★国崎珠里)

ルビィの別人格。

★八代勝子

イボやん。祝言島からの避難者。耳たぶにイボ。

★九重サラ

祝言島からの避難者。

九重皐月(メイ)

ルビィの子ども。サラ(明良)に育てられる。

 

その他の人物

★嘉納明良

祝言島の映画監督。サラ・ノナ。

(★東雲アキラ)

明良の別人格。猟奇的な性格。

東雲義重

明良の腹違いの兄。シノノメ美容外科院長。

大倉悟志

TVプロデューサー。

 

★まぶたに痣のある人。ロボトミー手術の傷跡。

 

「祝言島の歴史」でふれたように、名字に漢数字が入っている人物は、祝言島の子孫ということになります。

 

その法則にすると、バク転・サブローとか三ツ矢マネージャーも子孫ということになるんですが・・・。

え、そうなの?

だれに聞いてるんだ

 

ポイント

明良とルビィの2人が二重人格者。

 

しかも明良はサラになりすましていることから、1人3役ということになります。

明良、アキラ、サラの3人が同一人物という事がわかったうえで再読すると、思わせぶりだったところも理解できて、すっきりします。

 

ルビィと珠里も同一人物。2人で会話している場面があるので完全に騙されるわけですが、正直、それはずるいわーと思います。

手鏡ごしに他の人格と会話するって、ありえるんでしょうか。

 

出来事を時系列に整理

1955年 嘉納明良(14歳)/祝言島でロボトミー手術を受ける。それまであった同性愛の傾向がなくなる。

1962年 嘉納明良(21歳)/関東大学芸術学部映画学科3年生

1964年 祝言島噴火。島民全員避難。

    七鬼百合(12歳)/下田の避難先で初潮をむかえる。

    イボやん/七鬼百合と下田の避難所にいる。

    東京オリンピック

ー5年間ー

1969年 嘉納明良(28歳)/新宿東口でイボやん(八代勝子)に出会う。

    イボやん/惨殺死体で発見される。殺される場面が映画「祝言島」に収録されている。

     嘉納明良(28歳)/祝言島からの避難者が住む「青山東アパート」で百合(17歳)と出会う。3年前から一ノ瀬琴美と半同棲中。

1970年 七鬼百合(18歳)/明良に手記を渡す。

    嘉納明良(29歳)/父親の正妻が亡くなることで父親の籍に入る。本名が東雲明良に変わる。

1971年 七鬼百合(19歳)/「黒こげお七」で映画デビュー。ドイツの映画祭で特別賞。百合も助演女優賞を受賞。

    嘉納明良(30歳)/百合から金を受けとるようになる。

1972年 七鬼百合(20歳)/妊娠したと明良に告げる。

    嘉納明良(31歳)/東雲アキラと初対面。アキラはAMSを立ち上げ。アキラが明良に「祝言島」を撮るようにすすめる。

1973年 嘉納明良(32歳)/映画「祝言島」を発表。

    七鬼百合(21歳)/紅玉を出産。

    一ノ瀬琴美/明良の子どもマサカズを出産。実家の新潟に身を寄せる。

1994年 嘉納明良(53歳)/明良が性転換手術を受ける。もう少しで女性になれる。

1995年 嘉納明良(54歳)/九重サラを探している。サラのいた簡易宿泊所で火事。明良はサラになりかわる。サラ・ノナと名乗りスタイリストに。

1996年 七鬼紅玉(23歳)/皐月(メイ)を出産。父親はマネージャーの三ツ矢勉。三ツ矢は紅玉に内緒で、子どもをサラに託す。東雲整形外科で紅玉が国崎珠里に出会う。

ー10年間ー

2006年 国崎珠里(33歳)/大倉悟志がテレビ番組「ファミリーポートレイト」で祝言島を企画。珠里に出演をオファー。

    「12月1日連続殺人事件」

    七鬼百合(55歳)一ノ瀬マサカズ(33歳)国崎珠里(33歳)の3人が殺害される。取り調べ中の七鬼紅玉が姿を消し、迷宮入り。

ー11年間ー

2017年 九重サラ(76歳)/嘉納明良。どう見てもオネエだが、皐月(メイ)は母親だと信じ切っている。東雲アキラが企画した「テレビ人生劇場」を見て姿を消す。

    九重皐月(21歳)/関東大学芸術学部在学中。母サラがいなくなり大倉悟志に会いに行く。

    嘉納明良(76歳)/明良とアキラの人格が秒単位で入れ替わるように。

    東雲義重(89歳)/明良に再度ロボトミー手術をする。

 

整理してもわかりにくい・・・。

 

こうしてみると、明良がメインの年表になりますね。

そっか、明良が主人公だったんだ。

え、それ今?

 

 結論

 嘉納明良の別人格である東雲アキラが、

 

・イボやん(八代勝子)

・九重サラ

・七鬼百合(リリィ)

・七鬼紅玉(ルビィ)

・一ノ瀬マサカズ

 

の5人を惨殺した犯人ということでした。

 

 東雲アキラは猟奇的な性格で、

「祝言島の9人の母親から産まれた、すべての子孫を根絶やしにする」

という使命を持っている。

 

という事でしたが、なぜアキラはそこまで祝言島にこだわったのか。

嘉納明良の別人格なので、明良が心の奥底でこだわっていた、ということになるのでしょうか。

 

中学生の時に無理やりロボトミー手術を受けさせられたから?

それで子孫を根絶やしにするほどに恨んだ?

 

ロボトミー手術を恨むならわかるけど、祝言島の成り立ち自体には明良は関わってないんですよね・・・。

3回読んでもわかってないじゃないか

やっぱりすっきりしないなー。

 

まとめ

なんだかすごい小説だったな、というのが率直な感想です。

 

真梨さんもインタビューでそう書かれていました。

「スミマセン」って(笑)

www.shosetsu-maru.com

 

本当に凄い作品です。

でも、もう少しわかりやすいと嬉しい!

 

これ映像化したら、どうなるんだろう。

絶対無理なような、でも見たいような。

 

今日のねこ

 

毛がフサフサ

 

ひげピンピン